チェロの上達方法について

チェロの上達を目指すための姿勢練習方法

チェロの演奏において姿勢は重要であると言われていて、弾けるようになるにはまず姿勢を維持できるようになる必要があります。姿勢が悪いと演奏に必要な動作が上手くできず、適切な音色を出すことが難しいため、演奏時の姿勢は特に大切です。

姿勢を適切に保つことはチェロの練習において初歩の技術であり、チェロを自在に操り演奏をするための最初のステップでもあります。しかし、初心者にはこの姿勢の維持がとても難しく、自分ではしっかりと姿勢を保っているように思っても、実際は崩れていて音色も違うことがあります。姿勢の問題は演奏をしていると気づきにくいこともあり、初心者がもっとも陥りやすい大きな壁でもあります。

チェロは演奏中の姿勢が悪いと手の裁きが上手くできずに美しい音色が出せない、演奏中に引っかかるといった問題が起きてしまうので、演奏中の姿勢を他の人に見てもらったり鏡で確認したりして、正しく姿勢が維持できているかの確認をすることが上達のための第一歩です。

もし、練習中に姿勢を見てくれる人がいないときや鏡がないときは、スマホやビデオカメラなどを使ってを演奏をしている自分の姿を撮影するといいでしょう。この方法は一人でも基本的な姿勢をきちんと維持できているかを確認できる方法で、映像として見られるので自分では気づかない問題も見つけることが可能です。

練習の記録として練習中の映像を保存しておけば、自分はどこまで上達したかを実感することもできます。練習につまずいたときなども見返して改善点を見つける材料にもなり、上達を目指す人にとって有効な方法です。2台のスマホやカメラを使い、一台は姿勢を、もう一台は手先を撮影して問題点を洗い出すという手段もあります。

チェロの上達が止まったときの解決方法

チェロは弦楽器のなかでも特に難易度が高い楽器です。一から学んで上達を目指し練習を重ねていっても、どこかで練習の成果が出なくなり、行き詰まることもあります。

弦楽器は上手く扱えるようになるまで時間がかかるのが当たり前で、同じ失敗を何度も繰り返してしまうことは誰にでもあり、上達を目指して何度も繰り返し弾いても上手くいかないときは本当に上手くいきません。どうしても練習が思うようにいかないときは、一度練習を離れてしまうのも良い方法になります。

本来は毎日の練習が上達への早道ではありますが、同じ失敗を繰り返す場合は気分を変えることも必要になります。プロのチェリストを目指すのならそれでも演奏を繰り返して乗り越えるのもやり方の一つですが、趣味やアマチュアとして活動することを目指しているのなら、あえてチェロから離れてみるのも選択肢になります。1週間から2週間ほどチェロを触らずにいると、練習を再開したときにそれまでできなかったことができるようになっていることもあります。

あまり追い込みすぎるのも良くないので、失敗がストレスになるようであれば、一旦練習を休むということも悪い選択ではありません。練習の成果が現れるのは個人差も大きく関係しますので、結果が出ないからと言って焦る必要はなく、ゆっくりと進んでみるのも方法の一つです。

何度もチェロを演奏して上達するための足がかりを探す方法

課題曲を決めてチェロを弾いて、ミスをするところがあればそこを何度も繰り返して演奏し、なぜミスをするのかという原因を見つけるのも上達につながる唯一の方法です。どんなことでも同じですが、初めて挑戦するものは習得に時間がかかります。チェロもそれは同じで、上達をするためには原因の特定と解決を繰り返して、少しずつ進めていく以外の方法はありません。

特に同じところで失敗するときは、その失敗が癖になっていることがあります。癖を直すには、失敗につながってしまう癖があることに気づかないと、解決ができずにそこで技術の向上が止まってしまいます。そのためには一歩ずつ進んでしっかりと確認するほうが、癖に気づきやすく、得られるものも多くなります。

楽器は本やネットを使えば独学でも学べます。しかしチェロは指の動かし方や弓の持ち方の基本が演奏を左右するため、基礎動作を正しく覚える必要があります。演奏方法や表現方法を正しく覚えるにはプロに教わるのが近道となるでしょう。チェロのスクールに行けば先生からアドバイスをもらえ、正しい技術を身に付けやすくなります。

チェロも含めて、楽器というのはゆっくりでいいので、一つずつ身に付けていきながら演奏技術を習得していくことが、上手に演奏できるようになる近道です。毎日毎日コツコツと練習を重ねていけば、個人差はありますが必ず上達していきます。

また、上達することを目標とするのは良いのですが、上達することに執着した状態では成長が難しくなることもあります。焦らずにできる範囲で練習して、立ち止まるときには立ち止まることが、上手くなるためのコツです。

当教室主宰の著書「音楽教育のススメ(幻冬舎)」

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