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初心者の場合、これまでクラシックギターに触ったことがない人も多いでしょう。
練習方法にあれこれ思いをめぐらせる前に、まずはクラシックギターの基本を押さえておくことが肝心です。
クラシックギターの基礎知識とは、楽器の構造や音の特徴に始まり、ネックやフレット、ボディーといったギター各部の名称などのことです。
また、音楽の基礎知識とは音階や楽譜の読み方、和音など、楽器を奏でる上で必要となる音楽理論のことです。
これには、指使いを指示する記号も含まれます。例えば、楽譜上では弦を弾く手の指は記号で表されます。
親指は”p”、人さし指は”i”といった表記です。
ギター教室で学ぶ場合は、先生が丁寧に教えてくれますが、独習の場合は、入門者や初心者用の教則本を手に入れて、該当部分をしっかりと読み込む必要があります。
基礎知識を学んだ上で、クラシックギターに触れていきますが、最初に学ぶ大事なことはギターの構え方です。
構えが良くないと左手でコードをしっかりと抑えることができず、右手で弦を正しく弾くことも難しいのです。
正しい構え方とは、右利きの人の場合、椅子に浅めに腰掛けます。
そして左足を足台の上に乗せて、右足はやや膝を開き気味にし、ギターのボディーのくびれている部分を左足の太ももに持ってくるようにします。
ネックは糸巻きの部分が目線の位置になるように立てます。
左手はネックの裏側に親指の腹が当たるようにし、残りの指は弦を垂直に押さえられるように角度を整え、右手は力を入れずリラックスさせましょう。
構え方、つまりフォームの良しあしは上達スピードを左右しますので、おろそかにしないことが大切です。
構えが決まったら、チューニングのやり方をマスターします。
チューニングとは6本の弦を押さえずに開放弦の状態で、1弦から6弦まで音を合わせることです。専用のチューナーを使うと初心者でも簡単に音を合わせることができます。
続いて、クラシックギターの基本的な奏法を練習します。
クラシックギターには、アルアイレ奏法とアポヤンド奏法があり、右手で弦を弾くときの方法が異なります。アルアイレ奏法は弦を弾いた指を手のひらに向かって曲げるようにし、全ての弦から指を外します。
一方アポヤンド奏法は、弦を弾いた指をそのまま次の弦に触れさせ、そこで止める奏法です。入門者の場合はまずアポヤンド奏法をしっかりと身につけます。
慣れないうちは音が弱かったり、きれいに出なかったり、隣の弦まで弾いてしまったりしますが、意識せずにできるように反復して練習するようにしましょう。
よく行われる練習方法としては、弦の上に親指を置き、その弦を弾いて隣の弦で親指を止める、それを繰り返し行います。
続いて、左手のフォーム、つまりコードの押さえ方を練習します。
基本的なフォームを覚えますが、弦は指の腹で抑えるのではなく、指を立てて指の先頭が弦になるべく垂直に当たるようにします。指を寝かしてしまうと隣の弦まで抑えてしまうからです。
コードを押さえるとき、最初は指が思うように動かず、指を一本一本置いていくような押さえ方になるかもしれませんが、慣れてくればだんだん素早くできるようになります。
まずは、ドレミファソラシドの音階を練習し、続いて簡単なコードで弾ける伴奏とアンサンブルを練習します。
入門の練習が身について左手と右手の動きに慣れてきたら、簡単な独奏に挑戦していきます。初心者は独奏を何度も練習しながら、音の強弱のつけ方、音楽のリズムなどを学んでいきます。
さらに、1音ずつ弦を弾いて演奏するアルペジオを練習します。
アルペジオにはいくつかのパターンがあるので、基本的なものを繰り返し練習してマスターしていきます。
コード数が少ないものから順に練習し、同様やプレリュードなど、音楽様式の違いや特徴を学びます。
初心者の目標は、覚えた音階やコードを使ってなんとなく曲らしく弾けるようになることです。この段階まで来ると、楽譜にも慣れてくるので、初心者用の楽譜を自分で買って、気に入った曲を練習することもできます。
好きなフレーズを1小節でも弾けるようになると自信がわいてきます。
自信がつくと練習が楽しくなり、音に強弱をつけたり、いくつかリズムを覚えたりと、バランスの良い練習方法を工夫することができます。
最初は指や手が動かなくて当然ですが、あきらめずクラシックギターに触れることを習慣づけましょう。このとき、正しい姿勢や構え方といったフォームを意識し、基本に忠実であることを心がけます。
間違ったフォームで左手を使うと指がスムーズに動かないだけでなく、余計な力が入ってすぐに疲れてしまいます。
そして右手が間違ったフォームになっていると、正しく弦を弾くことができませんし、きれいな音も望めません。
一度間違ったクセがつけいてしまうと、あとで直すのが大変です。教室に通っているのであれば、自分のフォームを先生にチェックしてもらうと良いでしょう。
当教室主宰の著書「音楽教育のススメ(幻冬舎)」