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ギターは弦を弾いて音を出す撥弦楽器の一つです。ギターにはクラシックギターの他にもエレキギターやアコースティックギターといった種類があります。中でもクラシックギターは歴史の長い楽器で、14世紀から15世紀にスペインで生まれた撥弦楽器が原型と言われています。
現代のギターには6本の弦が通っていますが、この時代の物はネック部分に2本の弦が4コースに分かれて通っている物でした。その後1800年代頃から、現在のような単弦が6コースに分かれて通っているギターに定着していきます。
当時のギターは、大きさも小さかったために小さな音しか出すことができませんでした。しかし、形やサイズ等の度重なる改良によって、1817年には現在のような形状となり、弦から出る音がより響くギターが完成します。
クラシックギターとアコースティックギターは似ていますが、その違いは弦の種類にあります。アコースティックギターの全ての弦が鉄弦なのに対して、クラシックギターは6本のうち半分がナイロン弦で残りが銀メッキの銅線を巻き付けた巻線弦です。
弦の種類によって音色にも違いがあり、特にナイロン弦は、タッチの仕方によってあらゆる魅力的な音色を表現できるとても繊細な弦です。硬い音から柔らかい音まで表現できるため、単調な演奏にならず幅の広い演奏が可能です。
また、アコースティックギターやエレキギターはピックという道具を使って弦を弾いて音を出します。しかし、クラシックギターは4本の指の爪を使って音を出し、伴奏とメロディーを同時に演奏します。
アコースティックギターと見た目が似ていますが、二つを並べて比べてみると違いが良くわかります。クラシックギターの方が小さく、ネックと呼ばれる弦の部分はアコースティックギターよりも太く作られています。
クラシックギターを始めたいと思ったら、まず必要なのがギター本体です。楽器を買うとなると、同じ弦楽器のバイオリンのようにとても高価なのではと思われる方もいますが、安いものなら数千円から販売しています。
もちろん高級な物になると数百万円という値段の物もありますが、プロが使用しているギターでも100万円から300万円です。安い物と高価な物との違いは使用している木の種類と作り方にあります。
これによって音の響きや抜けに違いが生じます。楽器店で直接弾いて比べてみるとわかりやすいかもしれません。ギターは放置していると、保管している場所の温度によって弦が伸びてしまったり、逆に縮んでしまったりすることがあります。
とてもデリケートな楽器です。そのため、弾き始める前には必ずチューニングという音程調整を行います。
その際に必要なのが、デジタルチューナーや音叉です。
チューニングを行わずに弾くと、音の高さが正しくないため不協和音を発生させてしまいます。弦を巻きながらチューナーや音叉を使って正しい音程に調整することで、魅力的な音色に繋がるのです。
ギター弾くためには自分の指の爪を使います。そのため、爪は形を整える必要があります。そこで爪やすりや紙やすりを使用すると便利です。爪の形によっては、弦に引っかかったり滑ってしまったりするため、形はとても重要です。爪やすりを使って、弾きやすい爪に整えます。爪を整える必要があるのは弦を弾く手だけですので、両手の爪を同じ様に整える必要はありません。
また、ギターの弦は古くなるとさび付くこともあります。さび付いた弦は、音色に変化を及ぼすため交換した方が良いです。弦にさびが付着する前に、定期的に交換すると安心です。弦は様々な種類の物が販売されていますので、自分の好みの音色が出る弦を見つけるのも良いでしょう。
弦本来のやさしい音色が魅力のクラシックギターは、一人で独奏する以外にも重奏やカルテットなどの複数人での演奏にも向いています。ジャンルも様々で、クラシックはもちろんポピュラー音楽やボサノバなど、数々のジャンルの曲を楽しむことができます。
メロディーなどの単律に向いているエレキギターやアコースティックギターとは違い、同じ楽器同士でも合奏ができるため、独奏と合奏のどちらも楽しめる特徴があります。
また、自分の爪を使って演奏するため、爪の状態や弾く人によって音色が変わるのも魅力の一つです。他の人とは違った自分だけの音色を追求し楽しむことができます。1900年以降からはさらに注目されるようになり、作曲家達によって多くのギター曲が作られ始めました。
最も多くの作品が作られたのは近代や現代に入ってからで、クラシックギターの魅力や特色を活かした作品が豊富に作られています。伝統的なクラシック曲から現代曲まで幅広いジャンルの音楽を楽しめる楽器として、クラシックギターは今も昔も若い世代から高齢まで幅広い年齢層に愛されている楽器です。
当教室主宰の著書「音楽教育のススメ(幻冬舎)」