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絶対音感という言葉を聞いたことがあると思います。
楽器の音はもちろん、コップの鳴る音や猫の声など、どんな音でも完璧にドレミファソラシド(平均律)として聞こえるとか、442ヘルツの音の高さを完璧に把握していて、少しでも音が狂ったらすぐに分かるといった、研ぎ澄まされた音感のことを言います。一般の人からすると、なにか特殊な超能力のようなものに思えるかもしれません。
この絶対音感の能力、実はそこまで特殊なものではなく、小さいころからドレミで楽譜を読んで音楽を習っていた人の中には、自然に身についているという人も一定数いるようです。特にピアノははじめのうちから楽譜を読んで曲を弾く練習をするので、ピアノをやっている人には身についている人が多いようです。なお、絶対音感の精度は人によって異なるので、楽器の音は分かるけれども、その他の音までは分からないという人もいるようです。
絶対音感はなくても演奏するには特に問題ありませんが、音楽大学に進学する場合は、聴音といって、ピアノで弾かれた曲を楽譜に書き取るテストがあり、絶対音感があるとかなり有利になります。
東京には、東京芸大、桐朋、東京音大、国立、武蔵野など音大がたくさんあり、受験専門の聴音やソルフェージュなどを教えている先生もたくさんいるので、もし将来音楽の道に進みたい場合は、できるだけ早いうちから対策することをおすすめします。
さてもう一つ、相対音感というのもあります。これは、基準の音に対して、ある音が正しい音名・音高と合っているか外れているかが分かるというもので、要するに普通の意味での音感のことです。歌を歌ったときに音痴な人は、これがないと言えるでしょう。
これは特殊な音感教育を受けなくても、普通の音楽教育を受けていればある程度は身につくものです。バイオリンやチェロなど、自分で正しい音程を作らなくてはならない楽器をやっていれば、かなりの確率で身につくでしょう。
音楽をやっている人で、音楽が全くないという人はあまりいないようです。これは、音楽をやっていると自然に音程感覚が鍛えられて正しくなるせいなのか、音感の無い人は音楽を専門にしようとは思わないせいなのか分かりませんが、またはその両方あるかもしれませんが、やはり、毎日音と接することで音に対する感覚が鍛えられるというのは確かなことでしょう。
バイオリン、チェロなどの弦楽器では、弦を押さえるほんのわずかな位置の違いで、音の高さが変わってきてしまうので、正しい音程で演奏するために、一日何時間も練習します。かなり上級者レベルになっても、自分では音の違いに気がつかず、先生から指摘されて直す、ということもよくあり、特に弦楽器をやる人にとっては音程感覚は絶対不可欠なものと言えます。
当教室主宰の著書「音楽教育のススメ(幻冬舎)」