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2人に1人程度の子どもが習い事をやっているという調査もある中、習い事ランキングにおいてピアノは上位に位置づけられることが多くあります。長年続けることで集中力や忍耐力などの力が鍛えられるとも言われています。
ピアノはレッスンで譜面を読んだり暗譜をしたりしますが、この間は左脳をよく使います。左脳はじっくりと記憶をすることを得意として、言語や計算などは左脳を使用すると言われています。一方で、芸術性や想像力など表現に関する部分は右脳がつかさどっています。上達のために練習を繰り返すことで、右脳と左脳がバランスよく発達すると考えられています。
脳科学の観点からもピアノは評価が高く、とりわけHQに影響を与えるとされています。HQとは人間性知能という言葉で、思いやりを持つ、理性を身につける、未来志向型の考え方ができるなどの能力のことを言います。HQは子供が大人になり社会に出た時や家庭を持った時まで影響するほか、手先の器用さや運動神経にも関係するほど大切なスキルと言われています。
子供の成長に良いとされているピアノですが、暗譜し両手を同時に動かすだけではなく足も使用するなど、複数の作業を一度に行う必要があります。上達するには練習の方法を考えていく必要があります。練習量こなすことは、状況によっては正しい上達方法とは言えないこともあります。脳科学の観点からも、楽しんで行う、つまりドーパミンが出ている状態がHQなどを高めるためには良い状態とされているため、上達を考えるのであれば練習量だけではなく、基礎練習を行うなど正しい練習方法を行う必要があります。
ピアノを上手に弾きたいと考えた時、特に初心者の場合は練習をすればよいと考える人は多くいます。ピアノ教室に通うことだけではなく、自宅での練習をすることもあるでしょう。しかし、練習を増やしたり弾きたい楽曲ばかりを弾いたりすることは上達に近づくものの、近道ではないことがあります。上達させるためには必要な練習方法を適度に行うことが重要です。
効率良く練習をするためには、まず練習をする前に基礎練習を行うことが大切です。ピアノは手を動かして弾くため、手が動くようにケアをすることが大切です。そのため、指を動かしておいたり、指がつらないように鍛えたりすることが大切です。アルペジオを弾いたりすることで指を鍛えることもできるため、事前に弾くための準備をしておきましょう。
また、初めたばかりのころはできるだけ右手だけ、左手だけなど、片手で練習をするところからはじめてみるのも良いでしょう。人は普段利き手を使うことが多いため、初心者の場合は片手であっても難しいこともあるため、曲のリズムを確認しつつ片手ずつ練習してみましょう。
楽譜を読んで難しい、苦手だと思うパートを部分練習することも大切です。すらすらと弾けるところほど何度も練習してしまうことが多いものの、上達させるための方法としては苦手なところを弾けるようにすることが重要です。ミスをしてしまったところを1回だけ弾き直すというのは直っているとは言えません。ミスをしてしまったところは重点的に練習を繰り返しましょう。
特に子供の場合はこうした点だけではなく、1日10分でも座って弾いてみる、1曲のここまで弾けるようになるといったゴール地点を作ることも大切です。
音楽教室に通っている子供の多くは、ピアノのレッスンが1週間に1度の頻度で行われています。1週間に1度のレッスンだと、他の曜日にも練習時間を決めてしっかり練習をしないと、一週間後の授業での上達は望めません。自宅練習が、上達するか否かを分ける一つのポイントとなります。1週間に1度教室に通っているなら、毎日ピアノを練習する癖をつけてあげましょう。そして1週間毎日ピアノの練習ができたら褒めるなど、褒めてやる気を出してもらうことが大切です。
苦手意識を持っている子供の中には、自宅練習を習慣づける方法として、練習をゲーム制にするのも一つの方法です。スタートとゴールを作った台紙を用意し1日何分練習したらシールを貼ってあげるなど制度を決め、子供が楽しめる工夫をしてあげましょう。
ピアノを上達させるには自己肯定感も重要です。自分はできると思わせてあげると、自信をもって練習でき上達のスピードアップも期待できます。子供が得意な部分をほめ、少し手が届くレベルの目標を提示してあげましょう。練習してできるようになったという経験を積み重ねることによって、次も頑張ろうと思わせることが上達するための方法として大切です。
同じように、ピアノ凶日での先生との練習が楽しいものだと思えるかどうかも重要です。レッスンを続けたいか、通いたいかが決まるのは先生次第という場合もあります。先生との相性がいいと、練習時間が楽しいものであると感じ、続けやすくなります。先生との相性を確認するにはピアノの教室を決める時に体験レッスンがある教室を選ぶといいでしょう。
当教室主宰の著書「音楽教育のススメ(幻冬舎)」