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歌が上手くなるためには、闇雲に練習をしてもなかなか上達しません。プロの指導者からきちんとしたボイストレーニングを受けることが一番効果がありますが、自分で日々努力をすることも大切です。
歌うとき声というのは非常に重要な要素となり、質はもちろんのこと音域を広げることが求められます。
そのためトレーニングをする必要がありますが、声帯に負荷をかけてしまうとちょっとしたことで傷んでしまうので、気をつけて行うようにしましょう。
例えば突然大きな声を出すだけでも傷めてしまうことがあります。良好な状態にするためには、血行を良くしたり湿度を保ったりするのがポイントです。
そして、食事の内容や飲み物にも気をつけると状態が改善されます。
咽頭には呼吸をする、物を飲み込む、発声をするといった三つの働きがあります。
一つの働きで喉に負荷をかけてしまえば、当然後の二つの働きを妨げてしまうことになります。反対に喉をいたわってあげると、他の働きをするときにスムーズになるのです。
物を飲み込むという行為は飲食をすることを指しますが、これらに関してなるべく良いものを摂取するように気遣ってあげることで、スムーズに良い声が出たり、高い音域を持続して出したりする手助けとなります。
飲食は毎日の生活の中で繰り返される行為なので、悩んでいる方は習慣を見直すことから始めてみましょう。
まず冷たい飲み物や熱い飲み物は、喉を刺激してしまうので好ましくありません。冷たい飲み物を摂取すると発声に関わる筋肉が縮んでしまい、動きが悪くなります。熱いものは筋肉を緩めてしまったり、声帯の周辺が乾燥してしまったりします。
テスト、コンクール、コンサートなどのここぞという前に喉を潤す場合は常温が適しています。
コーヒーなどのカフェインも、少量であればさほど影響はありませんが、利尿作用が強く身体の中の水分を取ってしまうので喉も乾燥してしまいます。特にウーロン茶は、喉の油分を洗い流してしまうので注意が必要です。
お茶の中で良いとされるのがハーブティーです。プロの歌手の方にもいつも持ち歩いて愛飲している人がいます。
牛乳などの乳飲料は、糖分や油分を含むため喉に痰が絡みやすくなってしまいます。しかし痰が絡むかどうかは体質によっても異なるので、摂取してもあまり普段と変わらないようなら問題ありません。油分が喉を潤すこともあるので、自分の状態を確認して限度を決めて飲むことがおすすめです。
アルコールは血行が良くなることや気分がおおらかになることによって、一瞬は上手く歌えているような気になりますが、実際には思ったほど声が出ていません。利尿作用が高まるので喉も乾燥してしまいます。もしアルコールを飲んだのなら、喉が渇き切ってしまう前に、たっぷりと常温の水を飲んで乾燥を防ぐことが大切です。
また、炭酸飲料は喉への刺激が強すぎます。喉への影響だけでなくお腹に炭酸が溜まることによって力を入れにくくなってしまうので、歌う前には避けた方が無難です。
アルコールにはビールを筆頭に炭酸が含まれているものが多いので、食事の際には注意しましょう。
食事の際、糖分の高いものは喉に良くないとされています。乾燥させてしまったりベタついてしまったりします。飴などを舐めていると水が飲みたくなってしまうことがあるのはこのためです。ただ膜を張ってダメージから守ってくれる作用もあるので、適度に摂ると良い点もあります。
何と言っても良くないものの代表は辛いものです。摂りすぎると粘膜が荒れてしまいます。喉の中でも発声をするときに一番大事な部分を傷めてしまう恐れがあるので、注意が必要です。
そうはいっても辛いものが好きだという方もいるでしょう。その場合は油分を多く含むものを一緒に摂取すると、喉への影響を和らげることができます。ただし、普通に食べるよりも和らぐという程度なので、たくさん食べることは控えておきましょう。
油分は辛いものを食べたとき以外でも粘膜を覆ってくれるので必要なものです。ここぞというときにはオリーブオイルなどを舐めておくと喉を潤す効果があります。
ハチミツも喉に良く、殺菌作用もあるので喉を使いすぎた後に効果的です。しかし糖分を含んでいるため摂り過ぎは要注意です。ダイコンも喉に良い食べ物で、辛み成分であるアリルイソチオシアネートには抗炎症作用があります。
ダイコンを薄く切ってハチミツに漬けたものは安価で、簡単に用意できるのでおすすめです。少量を持ち歩くことも可能で、喉を使った後にいたわるために食べるのも効果的です。
果物はビタミンCが良いと言われていますが、喉がイガイガしてしまうこともあるので種類や量に注意が必要です。梨は炎症を鎮めるサポニンが含まれており、喉を潤すミネラルが摂れるためおすすめです。
あまり良くないと言われている食事や飲み物でも、全く摂取しないとなるとストレスが溜まる場合があります。注意しながら食べるのであれば問題はないため、効果などを理解したうえで上手に摂取することがおすすめです。
当教室主宰の著書「音楽教育のススメ(幻冬舎)」